■概要
北海道斜里郡清里町、知床半島の付け根部分に位置し、千島火山帯に属し知床火山群と阿寒火山群のほぼ中央にそびえる成層死火山。円錐形だが、オホーツク海側から眺めると山裾が長く、富士山型の独立峰に見え、「オホーツク富士」、「斜里富士」、「道東のマッターホルン」とも呼ばれる。シャリとはアイヌ語の「サル」が訛ったもので「葦の生えた湿原」の意味。
日本百名山の他に、二等三角点(斜里岳)、花の百名山、新・花の百名山に選定されている。
山頂は斜里岳、南斜里岳、西峰からなり、阿寒側からは、いくつものピークを持つ山であることがわかる。
斜里川の水源を持つため斜里岳と呼ばれ、遠音別岳、海別岳とともに、昔はオンネヌプリ(親山)と呼ばれていた。
登山者は毎年7,000人以上ともいわれているが、山開きなどのイベント時を除けば静かな登山を楽しめる。
頂上からは、東に知床半島、太平洋、クナシリ島、根釧原野、西に、濤沸湖、能取岬、サロマ湖、屈斜路湖、南に摩周湖、雄阿寒岳、北にオホーツク海と斜里、清里町の広大な畑作地帯を望める。
■登山対象者:初心者/体力★★
■登山コース/コースタイム
①清岳荘(登り:沢筋の旧道-下り:尾根筋の新道)コース/5時間20分/標高差895m/距離10.1km(最も登山者が多い)
清岳荘-下二股-上二股-山頂-上二股-熊見峠-下二股-清岳荘
主に登りに使われる沢筋コースは急登攀だが、羽衣の滝、見晴の滝、龍神の滝など大小の滝を見ることができる。
主に下りに使う尾根筋コースは、本峰と南斜里だけを一望にする熊見峠への稜線に付けられており、天気が良ければ空中に浮かぶ回廊を歩くような感覚である。
- ① 清岳荘(沢筋の旧道)コース/登り2時間50分-下り2時間/標高差895m/距離4.5km
清岳荘-下二股-上二股-山頂
- ② 岳荘(尾根筋の新道)コース/登り3時間40分-下り2時間30分/標高差895m/距離5.6km
清岳荘-下二股-熊見峠-上二股-山頂
④三井コース/登り4時間-下り2時間40分/標高差1,093m/距離4.6km
三井コース登山口-2500m標識-山頂
■植物
【山頂付近】
エゾゼンテイカ(6月~8月)
キバナシャクナゲ(7月~8月)
ミヤマオダマキ(7月~8月)(馬の背から山頂)
【中腹】
ウコンウツギ(7月~8月)(龍神の滝より上)
サンカヨウ(5月~7月)(龍神の滝手前)
マルバシモツケ(7月~8月)(龍神の滝手前)
【上二股周辺】
ダケカンバ
ミヤノハンノキ
【下二股周辺】
ハイマツ
コケモモ
マイヅルソウ
【標高1,000m以上の尾根上】
イワブクロ
エンレイソウ
エゾカンゾウ
エゾツツジ(7月~8月)
エゾノツガザクラ
エゾノレイジンソウ
オクエゾサイシン
キクバクワガタ
クルマユリ
ゴゼンタチバナ(6月~7月)
サマニヨモギ
シロバナハクサンチドリ
シロバナミナマアズマギク
タカネナナカマド
チシマギキョウ
チシマノキンバイソウ
チシマヒョウタンボク
チシマフウロ
チングルマ
トカチフウロ(6月~8月)
ナナカマド
ハクサンチドリ
フタマタタンポポ
マイヅルソウ
ミヤマアズマギク
ミヤマキンバイ
ミヤマダイコンソウ
マルバシモツケ
リンネソウ
■動物
ホシガラス
シマリス
■登山メモ
・上二股から少し下ると湧水をためる池がある。鉄イオンによって褐鉄鉱床が生まれ「鉄釜」と呼ばれる珍しい現象を見ることができる。
■水場/トイレ
水場:清岳荘(要煮沸)
下二股を過ぎると湧水あり。
トイレ:清岳荘
旧清岳荘跡
上二股